元作詞屋のラボ

いろんなエンタメを、「創る」エッセンスの視点から。

想像する事。

 

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【マイノリティリポート】

2002年公開

監督 : スティーブン=スピルバーグ

主演 : トム=クルーズ

 

SF好きなので、何回も観た一本。

予知で"殺人をするハズの人"を実行前に捕まえる、犯罪予防局。そこに勤めるジョン=アンダートンが罠にかけられ、濡れ衣を晴らす為に奔走する...というのが、大枠のストーリー。

 

魅了されたのは、冒頭に登場した透明スクリーン。専用手袋をはめると、黒板程の大きさのスクリーンの映像を自在に操れる。拡大、コマ送り、フォルダからデータを出すのも、まるで現実に手で触れているかの様に操作可能。ファイルの閲覧も、紙のページをめくる感覚で行える。パソコンの融通の利かなさに辟易していた当時、それはまさに夢のような便利さだった。

 

と、ここで「スマホで当たり前に出来る事じゃん」と思った方。映画の公開年を見て欲しい。

2002年。

携帯用インターネット「iモード」がスタートしたのが、1999年。それからわずか3年のこの頃は、まだ"携帯でネット"というシステムそのものが、試行錯誤していた時。そんな中で、この発想。

まさに"予知"である。

実はこれには、スピルバーグが全米の専門家に「実現可能な技術」を検討してもらった、という裏があるのだが...それでも、驚きの先見性。

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」というジュール=ヴェルヌの言葉を、思い出さずにはいられない。

 

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そして作詞の世界でも、時として先見性は必要になる。

楽曲制作は、発案からリリースまで何ヵ月もかかる。なので例えば、夏の暑い日に、凍える雪の夜の描写をしなければいけなかったりする。またその曲が流れる時、聴く側はどうなっているか?そこにフィットするのはどんな表現か?そんな事まで考えたりもする。

まさに想像の世界。

 

まあそれだけに、想像と言葉がピタリ嵌まった時の満足感は、たまらない。

その瞬間を求めて、作家は日々、飽きる事なく、言葉を組み立て続けている。